危険な提案−2−

*堂郁(恋人期間)

危険な提案−1−の続きです。

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数日後堂上に呼び出され、いつもの場所でキスを重ねる。優しいキスからだんだん深くなり、郁の意識が朦朧としてきたところで耳元に甘く囁かれる。

「郁、次の公休前、外泊出せるか?」
半分とろけた頭ではいと答え、優しく微笑んだ堂上が再び唇を重ねようと近付けてきた瞬間、数日前の飲み会の事が記憶に甦った。

「あのっっ、教官っ!」
「バカっ声がデカい」

慌てて口を塞がれ辺りを窺うが、幸い誰もいないようだった。
堂上の手が離れ小さくすみませんと謝ると、それ以上は怒っていないようで続きを促される。

「で、何だ。急にデカイ声出して」
「あの、ですねー、えー、っと…」

言い出したものの、高校生並と言われようがやっぱり言い辛いものは言い辛い。が、堂上は違う風に取ったらしい。

「外泊、なんですけど…」
「何だ、体調でも悪いのか?」
「いえ、そうじゃなくて…」
「気が進まないのか?なら外泊はやめるか」

どうやら堂上は郁が口ごもっているのを違う意味にとったらしい。ここではっきり言わないとどんどん悪い方向へ誤解されそうなので、もう言うしかないと腹をくくった。

「あのっ、今回はラ、ラブホテルに泊まりませんか」

郁からそんな単語が出てきた事に驚き、郁からそんな提案をされた事に驚き、次はその提案の真意を計りかねて堂上の表情が二転三転する。

「…俺は別に構わんが、お前はそういう所は嫌じゃないのか?」
「それはっ、今まではそうだったんですけど…」
「宿泊代なら気にするなと言ってるだろう。階級も収入も違うんだ」

確かに階級も収入も違うが、その差以上の出費がかかっていることは流石に郁でもわかる。だが、金銭の問題にすれば堂上が一歩も譲らない事は今までの経験上分かっているので、件の飲み会の話をかい摘まんで説明する。

「で、雑誌見たらイメージと違って以外と普通って言うか、ゴテゴテしてなくて」
「まぁ最近は洒落たラブホテルも多いらしいな」
「で、シティホテルは声出したら結構聞こえるからラブホの方がいいんじゃないかって言われて」

すんなりと堂上が話にのってくれたので勢いづいて一番気にしていた点を漏らす。と、堂上が訝しげな顔をして少し黙った。

「…まぁそれも一理あるな」
「ですよね!何かみんなに言われたら気になっちゃって」

しかし、すぐに賛同してくれたので郁はほっと一安心し畳み掛ける。

「なら一度泊まってみるか。その手のホテルは予約できんのが難点だが、平日だしどこも満室って事はないだろ。手当たり次第に入る訳にもいかんからネットで下調べしておく」

楽しみだなと最後に意味ありげに微笑まれたが、疑問に思う暇もなく口を塞がれ、いつもよりも激しい口付けにとろけそうになり、思考が途切れて行った。

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続きます