野戦のココロエ−その3−

*特殊部隊。完全捏造イベントですが、時期は危機くらいです。
ラブ要素は中盤にちょっとだけで殆ど無し。狩猟関連の記述があります。
未読の方は−1−−2−からどうぞ。

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「食糧ったってどうせ野菜とキノコばっかだろーー」
「物足りねーよな、やっぱ野戦食っつったらさぁ」

何とかできる事を見つけた郁の耳に、すぐ隣で会議をしていた他班の隊員達の話が入ってきた。確かに野菜などではタスクフォースの隊員達の消費エネルギーには到底見合わないだろう。

その声が聞こえたのか、本営の椅子に座って面白そうに隊員達を眺めていた玄田が立ち上がった。

「お前ら俺がそんなつまらん企画を立てると思うか?」

一同を見渡して不敵としか言いようのない顔でにやりと笑う。

「野戦と言えば……当然肉、だろ」

そして作戦会議に入っている各班に向かって声を張り上げた。

「よく聞け!この辺には猪が出るらしいからな、仕留めれば豪華なメニューになること請け合いだぞ!」

先程の怒号とは違いざわめきが隊全体に広がってゆく。

「猪って…!」
「野性動物を勝手に撃っていいんですか?」

「農作物に被害が出て駆除要請が出とるそうだ。自治体に申し出たら逆に依頼されたぞ」

隊員達の戸惑いを余所に、玄田の言葉は続く。

「ただしエリアは配布した地図の銃器使用許可範囲内のみ、それ以外の野性動物を討つのは禁止だ」

抜かりはないと豪快に笑う玄田に一部の奮い立つ猛者を除き、全隊はやや引きぎみだ。

「……どうします?」
「やらん、隊長のお遊びの為にそんな危険を侵せるか」

恐る恐る意向を窺う郁に堂上はきっぱりと断言した。実際の任務で必要とあらば方策を考えるが、今回その必要性は全くないと言うことか。

「それにわざわざ狩りに行かなくても他に方法はいくらでも、ね?」
「他って……罠をしかけるとか?」

「それも一つの方法だけどこの短時間じゃちょっと無理じゃないかな」

それよりもっと効率いい方法でね、と微笑む小牧の意図は郁にはさっぱり解らなかったが、それほど猪肉に執着があるわけでもないので追及はしない。

班の方針として猪には関わらない事を再度確認して、堂上班はそれぞれの役割の為散っていった。

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続きます。→−4−